戦闘における兵力・武器性能と損害量の関係を明らかにしたランチェスターの法則を、販売・経営戦略に応用したもの。戦闘力(相手に与える損害量)は、兵士が1対1で戦う接近戦では兵力に比例するが、銃火器や戦闘機を用いて1人が複数の相手を標的にできる集団戦では戦闘力は兵力の2乗に比例するので、兵力で劣る「弱者」は接近戦、兵力で勝る「強者」は集団戦のほうが有利になる。これをビジネスに当てはめると、市場占有率が2位以下の企業(弱者)は、1位の企業(強者)と同じ戦略をとっても勝ち目がないので、特定分野に経営資源を集中し、ライバルに先んじて差別化を図り、独自性を追求して顧客の支持を獲得したほうがよく、市場占有率が1位の企業は、弱者が開拓した分野に大量の経営資源を投入して市場を奪う戦略が有効であるとする。