・・・ 中国をケシかけ、ポーランドを操るだけでは我慢出来なくなった列国は、一九三〇年の初めローマ法王を先頭にして、反ソヴェト十字軍を起してドッと攻めかけようとした。その口実はこうだった。「ソヴェト同盟で宗教の自由が奪われているのは人類の正義に・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・西洋史で教わったローマ法王グレゴリー〔七〕世を主人公にした史劇みたいなものを書いた。わが幼稚なる衒学時代の開始、日本の文壇は人道主義が盛だった。一九一六年女学校五年、祖母の棲んでいる福島県下の田舎へ小さい時から毎年行って・・・ 宮本百合子 「年譜」
時代 中古、A.D. 十一世紀頃――A.D. 1077―A.D. 1095 人物 グレゴリオ七世 ローマ法王 ヘンリー四世 ドイツ帝 老人 ヘンリー四世の守役を勤めた人九十・・・ 宮本百合子 「胚胎(二幕四場)」
・・・その外に、西洋史を習った時に、ローマ法王と、フランスの王との間に生じた政権上の争いから、ついにフランスの王が雪の中に三日三晩坐って、やっと法王から許されるといったような物語りを書いた戯曲などもでてきて、私を笑わせてしまった。 十二三・・・ 宮本百合子 「昔の思い出」
・・・ 地球を血みどろにした第二次世界大戦が終ったとき、ローマ法王が、世界に向ってラジオ放送をした。彼は、全世界の婦人によびかけた。世界の婦人達よ、一人残らず起って政治運動をしなければならない。再びあなた方の家庭、夫と兄弟と息子達とを奪って、・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫