・・・所謂ロシア気質というものは、イリフ、ペトロフ両人の極めてダイナミックな社会精神と感情の活動を一貫してどこにも古風なバラライカの響となってつたわってはいない。彼等は新しい人間たち、新しい文学のつくりてである。それにもかかわらず、「黄金の仔牛」・・・ 宮本百合子 「音楽の民族性と諷刺」
・・・それはお互いに争った両人の画家が、最後に無言で両人の作品を並べて其力を批判した力其物の表現だと思います。〔一九二一年三月〕 宮本百合子 「女流作家として私は何を求むるか」
・・・ 両人に仕事のある日、夕飯は、静に落付いて食べると云うのが主眼で、決して無暗に手のかかったものを幾品も作ることはありません。大抵、米国の中以上の家では、肉汁、肉類野菜の一皿。サラダが主なもので、あとは菓子、果物と珈琲位の献立てです。瓦斯・・・ 宮本百合子 「男女交際より家庭生活へ」
・・・ 寛永元年五月安南船長崎に到着候時、三斎公は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御茶事に御用いなされ候珍らしき品買い求め候様仰含められ、相役横田清兵衛と両人にて、長崎へ出向き候。幸なる事には異なる伽羅の大木渡来いたしおり候。然るところ・・・ 森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
・・・寛永元年五月安南船長崎に到着候節、当時松向寺殿は御薙髪遊ばされ候てより三年目なりしが、御茶事に御用いなされ候珍らしき品買求め候様仰含められ、相役と両人にて、長崎へ出向き候。幸なる事には異なる伽羅の大木渡来致しおり候。然るところその伽羅に本木・・・ 森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書(初稿)」
・・・「太郎兵衛の娘両人と伜とがまいりまして、年上の娘が願書をさし上げたいと申しますので、これに預かっております。御覧になりましょうか。」「それは目安箱をもお設けになっておる御趣意から、次第によっては受け取ってもよろしいが、一応はそれぞれ・・・ 森鴎外 「最後の一句」
出典:青空文庫