・・・ 第一次大戦終了の後、漸々新婦人協会が治安警察法第五条の改正を議会に請願し、世界の社会情勢に押されて一九二二年その改正建議案は貴衆両院を通過したが、その三年後には当時の内閣が、婦人公民権に対してさえ不許可を声明したのであった。昭和五年と・・・ 宮本百合子 「現実に立って」
・・・放送委員は公共の利益を理解し公正な判断をもっている三十五歳以上のもののうちから五人を両院の承認をへて総理大臣がこれを任命するとされている。一般の不信と疑問はこの委員選出法に集中されている。なぜならば、我々は現在の政府が一般の信頼をかちえない・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・しかし、こんど上程された法案のように保守政党が占める両院の承認を経た五年間任期の五人の委員会を、不信任案をつきつけられている首相が任命して全日本の放送事業が統制されるとしたなら、現在の政府の堕落と思い合わせ日本のラジオの自由と民主化を期待す・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・市川房枝、金子しげりなどの婦人参政権獲得期成同盟会が成立したのは翌十三年のおしつまった十二月のことであり、いよいよ十四年普選案が両院を通過したと同時に、婦選の要望もきわめて一般的なひろがりをもちはじめた。 大正十五年二月には婦人参政建議・・・ 宮本百合子 「女性の歴史の七十四年」
出典:青空文庫