・・・ ここまで書いた時に私はふとあの有名な西郷の銅像や広瀬中佐の群像を想い出した。それと同時に、いつかスイスで某将軍の銅像を真赤に塗りつぶして捕えられ罰金を課せられた英国の学生の話を想い出した。……しかしこれは帝展とは何の関係もない事である・・・ 寺田寅彦 「帝展を見ざるの記」
・・・おまえはね、この森をはいって行ってアルキル中佐どのにお目にかかる。それからおまえはうんと走って陸地測量部まで行くんだ。そして二人ともこう言うんだ。北緯二十五度東経六厘の処に、目的のわからない大きな工事ができましたとな。二人とも言ってごらん」・・・ 宮沢賢治 「ありときのこ」
・・・前には中佐侯爵が住んでいた。それを知らずにリュシアンはかわって反感をもたれてる〔欄外に〕 マクシミリアン・ラマルク 1770―1832 はナポレオン帝政時代の名将軍 七月帝政時代にも反対派代議士として有名 コレラで死 葬式が暴動のキ・・・ 宮本百合子 「「緑の騎士」ノート」
出典:青空文庫