十月下旬行われた作家同盟主催の文学講習会のある夜、席上でたまたま「亀のチャーリー」が討論の中心となった。ある講習会員が「亀のチャーリー」をとりあげ、その作品は一般読者の間で評判がよく親しみをもって読まれたから、ああいう肩の・・・ 宮本百合子 「一連の非プロレタリア的作品」
・・・ つづいて、私は或る機会で、文部省その他の役所の人々が集まってこしらえている「都市生活委員会」主催の「都市生活映画第一篇小学校」三巻を観た。主な監督者は飯田心美氏。委員制によってつくられた作品で、日本の小学校がどのように児童の衛生、学習・・・ 宮本百合子 「映画の語る現実」
・・・ この間うち新聞社の主催で大々的に行われたカメラ祭というものは、未曾有の催しであった。下岡蓮杖の功績が新しく人々の科学常識の間にとりいれられたのは結構であったし、カメラを愛好する若い人々にとって、ターキーの舞台姿のポーズをとられたのも、・・・ 宮本百合子 「カメラの焦点」
・・・ 国立出版所で組織したウラル地方の重工業生産地への見学団、ソヴェト作家団体総連合主催の工場、集団農場への文学ウダールニク。いずれの場合でも、ただ応募した作家たちが一まとめに派遣されただけで、各々の作家が、これまでどの産業に一番接近してい・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・十一月二十日に朝日講堂で神近さんの婦人文芸主催の文芸講演会では私の話がよろこばれ、私としても、あんなに身をいれて、わかりやすく、文学といっても一般化して云うことは出来ぬこと、文学を作るものの社会生活が反映して来ることを様々の作品の例をとって・・・ 宮本百合子 「獄中への手紙」
・・・文芸春秋社主催の芥川賞、直木賞。文学界賞、三田文学賞、池谷信三郎賞等。やはりこれも時代の特徴の一つとして数えられることは、これらの「賞」を与えられた石川達三、高見順、石川淳、太宰治、衣巻省三その他多くの作家が、言葉どおりの意味での新進ではな・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・国防飛行協会クラブ主催屋外音楽会の広告ベンチがいくつも壁にそって並んでいる。 赤い布で頭を包んだ婦人郵便配達が、ベンチの上へパンパンに書附類の入った黒鞄をひろげいそがしそうに何か探している。太い脚を黒い編あげ靴がキュッとしめている。・・・ 宮本百合子 「スモーリヌイに翻る赤旗」
・・・雑誌『行動』主催で、文学の指導性座談会が催された席上で、文学における行動性について、たとえば新居格は「なんでもいいからやれば宜いと思うんだ」といっている。さらに指導性について、各自意見の混乱を示している中で、阿部知二は、はっきりファッシズム・・・ 宮本百合子 「一九三四年度におけるブルジョア文学の動向」
・・・それだのに政府は五月一日に実効を発するのは嫌だと、十一月三日に発布しました。主催在民の民主憲法を五月一日の世界のメーデーからわずか二日だけおくらして五月三日に実効を発せしめなければいやだという、その感情、そのものが今日の支配者、権力者が感じ・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・これは去年の十二月二十五日、新日本文学会が主催したファシズム反対の文芸講演会で話したものだったが、編輯上の都合があったと見えて、半年もおくれて掲載されたものである。 ファシズムとのたたかいも観念の中で課題とされているだけでは現実の力では・・・ 宮本百合子 「孫悟空の雲」
出典:青空文庫