事ぞともなし
取り立てて言うほどのこともない。何ということもない。「秋の夜も名のみなりけり逢 (あ) ふといへば—・く明けぬるものを」〈古今・恋三〉
事と次第による
結果や対処の仕方が、事柄やなりゆきにかかわる。「—・っては今日は帰れない」
事とする
⇒事6㋛
事ともせず
問題にもしない。何とも思わない。物ともしない。「土砂降りも—◦ず出かける」
事直る
1 物事がもとどおりになる。回復する。「かく憎げなくさへ聞こえかはし給へば—・りて」〈源・若菜上〉 2 任期が完了する。また、罪を許されて旧に復する。「知らぬ国にまかれりけるを—・りて京にのぼりて後」〈千載・雑中・詞書〉
事なきを得る
大事にならないで済む。「出発時間に間に合って—◦得た」
事成る
1 事が成就する。また、事が無事に済む。「相 (あひ) とぶらひ—・りしかばかき結び」〈万・一七四〇〉 2 その時になる。事が始まる。「ものも見で帰らむとし給へど…、—・りぬと言へば」〈源・葵〉
事に当たる
1 物事を担当する。従事する。「式典には全社をあげて—・った」 2 事件に遭遇する。「—・りて津の国の須磨といふ所にこもり侍りけるに」〈古今・雑下・詞書〉
事に触れて
何かのことに関連して。何かにつけて。折に触れて。「—その件をもち出す」
事に依る
事にかかわる。場合次第である。「親切なのも—・る」