・・・ 今日の新聞では西尾末広の偽証罪が不問に附せられるかもしれないことについて、弁護士である人からの投書があった。有名なえらい人の偽証は無罪とされ、一般の人の偽証は犯罪とされているその点への疑惑が語られていた。裁判が精神的・物質的圧力から必・・・ 宮本百合子 「「委員会」のうつりかわり」
・・・窪川鶴次郎の「偽証の文学」では、宇野浩二のリアリズムの矛盾をついている。その矛盾をふくみつつも、林房雄が、「文学者御前会議」をもって宇野浩二の私小説作家の末路としたのは、なおそのリアリズムに林房雄の欲しないゴーゴリ的な日本の人生の現実が造形・・・ 宮本百合子 「五〇年代の文学とそこにある問題」
・・・昨二十九日の新聞によると、公判は、被告十名の共同正犯と二名の偽証罪を、検事団の証拠とするところによって検討する段階に入った。ところで、前後五回の公判廷にはどのような光景があり、被告はどのように、弁護人はどのように陳述して来ているだろうか。・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・ 弾圧というものはどうせデッチあげと、ちょう発、偽証をともないます。密告をともないます。ウソからまことをつくろうとされます。その第一歩から正直な労働者、正直な階級人、正直な市民の権利にたってたたかうべきです。 これから情勢はむずかし・・・ 宮本百合子 「ふたつの教訓」
出典:青空文庫