・・・たとえば共学を例にとっても。 現在、大学や専門学校を卒業しようとしている年代の若いひとびとは、その中学校の時代を、共学どころか、人間の理性や感情さえ戦争で圧しひしがれた青春としてすごさせられた。だから大学や専門学校でにわかに共学がはじま・・・ 宮本百合子 「小さい婦人たちの発言について」
・・・ 学生たちは、互に幼稚園時代から共学でやって来てる。一緒に働き、遊び、男の子たちは、女の子がヒステリーを起して卒倒するのから、学生大会で、雄弁をふるうのまで見てる。男の子が、どんなに確りしてると同時に妙な奴が時々あるか、女の学生だって知・・・ 宮本百合子 「ワーニカとターニャ」
・・・ 母親の育った時代、いわゆる女学校教育はあったけれども、それはきまった内容だったし、人間交渉の課題として、いまあらわれている男女共学もなかった。 姉の時代は学徒動員で、そこには青春の破壊とそれによって不具にされた若さがある。 い・・・ 宮本百合子 「若い人たちの意志」
出典:青空文庫