・・・破するという段階からはずっと進みでているわけで、休暇中に国へ帰っている学生たちの仕事は、その土地での生活擁護のいろいろな活動に入っていって、実際に土地の住民としての親が苦しんでいる問題を解決するために協力するのが自然だと思います。土地の進歩・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・としてしか一般の常識の上にとりあげられなかった両性の社会関係についての考察が、この本の最後に集録されている文章の中では、はっきりと明日の、より幸福の約束された社会をつくるための、男女の新しい社会的協力としての面からとり上げられている。「異性・・・ 宮本百合子 「あとがき(『幸福について』)」
・・・このたび、幾人かの友人たちの熱心な協力によって、その大部分が集められた。そして、選集第八巻、九巻をみたすこととなった。 こんにち、これらの文章をよむと作者自身を感動させる素直さと、正直さが全篇にあふれている。三十一、二歳だった一人の女と・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第九巻)」
・・・んの断片的な執筆しかなくて、それも前半期以後は全く途絶えてしまっているのは、一九四一年の一月から太平洋戦争を準備していた権力によってはげしい言論抑圧が進行し、宮本百合子の書いたものは、批判的であり、非協力的であるとして発表することが禁止され・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十一巻)」
・・・このたび思いがけなく新聞切抜きを発見することができたのも、宮原氏の未亡人の協力によった。 新聞に連載した小説ではあるが、「古き小画」はまるで新聞小説ではない。古代ペルシアの英雄ルスタムとその息子との悲劇の、謂わば古風なものがたりであり、・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第二巻)」
・・・けれども、私共、平の人間、真心を以て人間の生活、真の人生と云うものを掴握しようとする者が、互に生きているこの地上の人として、要求され、渇望される協力に、どうしてすげない拒絶が与えられるだろう。自分に窮乏が迫らない為、無邪気にも余り無知識であ・・・ 宮本百合子 「アワァビット」
・・・病人が癒ってゆくための力づよい指導者であり、平静で明るい協力者であり、つまり病人の支えです。それだけの人間的な内容がいります。ですから、そういう職業の性質として、社会は、看護婦の経済的・精神的生活の安定のために、はからなければいけないと思い・・・ 宮本百合子 「生きるための協力者」
・・・日本婦人協力会というような、戦争協力者の集りのような婦人団体は、せめて彼女らが女性であるという本然の立場に立って、時間と金とを、そのような母と子とのために現実性のある功献に向けるべきであると、警告すべきであった。日本婦人協力会には、検事局の・・・ 宮本百合子 「石を投ぐるもの」
・・・誰が命令するというでもないのに、一団の人々は有機体のように完全に協力と分業とで仕事を実現して行く。 私は息を詰めてこの光景を見まもった。海の力と戦う人間の姿。……集中と純一とが最も具体的な形に現われている。……力の充実……隙間のない活動・・・ 和辻哲郎 「生きること作ること」
・・・ それとともにもう一つ見落としてはならぬ変化は、社会組織の基礎として民衆の共同や協力を力説する思想が著しく栄えて来たことである。服従の代わりに協力。命令の代わりに協議。従ってまた個人は、社会に安全に生息するために、ある型に自分をはめ込ま・・・ 和辻哲郎 「世界の変革と芸術」
出典:青空文庫