・・・そして、「兵は、共産主義者の反乱鎮圧のために配備されているのだと信じこんでいた」というようなことも平然と書かれ、こんにち政府が共産党鎮圧の空気を挑発しているのと、おのずからマッチするようにあらわれて来ている。 わたしたちのファシズムとの・・・ 宮本百合子 「新しい抵抗について」
・・・ 早苗の死、其に連関して全く消極の働きを起した老傅役の自殺、子義信の反乱が、信玄の心にどう影響したか。自分は其が知りたかった。其点がはっきりしてこそ、早苗が、只、敵方に騙り寄せられた城将の妻が古来幾度か繰返したような自裁を決行したのか、・・・ 宮本百合子 「印象」
・・・ ローレンスの勇気にかかわらず、その勇気の本質は神経的であり、感覚の反乱であったことが、否定しがたく明瞭になって来る。こんにち、わたしたちが、かりに一人の未亡人の生活の上に、とざされた性の課題を見出すとき、それは社会的な複雑な条件に包囲・・・ 宮本百合子 「傷だらけの足」
・・・この連作の題材は、ドイツの農民が、動物のような扱いをうける生活に耐えかねて十六世紀に各地で叛乱をおこし多くの犠牲を出した、その悲劇からとられた。 このルネッサンス時代の芸術の古都フローレンスの逗留が、四十三歳であったケーテにどのような芸・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
二、三日前の新聞に、北満の開拓移民哈達河開拓団二千名の人々が、敗戦と同時に日本へ引揚げて来る途中、反乱した満州国軍の兵に追撃され、四百数十名の婦女子が、家族の内の男たちの手にかかって自決させられたという記事がありました。・・・ 宮本百合子 「講和問題について」
・・・七月にはスペインにフランコ将軍の叛乱が起り、アンドレ・マルロオは政府軍の義勇軍に投じた。第十四回国際ペンクラブの大会は、会合地の関係もあって、英米ともに文学の現役を送らず、文学的には貧弱であったが、それにしても猶、日本から遙々出席した「夜明・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・や「叛乱」の政治的・文学的意味を自覚して創作したであろうし、ファデーエフの「壊滅」は偶然の作品ではなかった。単にゲリラに参加した若者の手記ではなかった。けれども、同時代の作家でたとえばピリニャークが、馬鈴薯の袋をかついで、鉄道の沿線を、あっ・・・ 宮本百合子 「政治と作家の現実」
・・・イギリス 金を出して叛乱を起させた。アマヌラ今年に入ってカブールから逃げ出した。逃げるときはイギリスの飛行機で逃げた。又暫くして帰る。 カブールにはバチェ・サカオ Баче-Сакао が居たが、一月三十一日には逃げ出したがって居る。多・・・ 宮本百合子 「一九二九年一月――二月」
・・・日本の近代文学におけるデカダンスやエロティシズムは、封建的な形式的道義・習俗にたいする人間性の叛乱としてあらわれたものでした。古い例でいえば、徳川末期の武家権力の崩壊期に、経済的実力をもってきた町人階級が、士農工商の封建身分制にたいする反抗・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・を撮影した時、老いぼけた坊主が十字架もって出て来るんだ。反乱が起って坊主は勇敢な水兵に追いこくられ、艦橋からころげおちるところがある。エイゼンシュテインのことだから、ほんとに、老いぼけてひょろひょろな坊主見つけて来たんだって。いざ、高いとこ・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの芝居」
出典:青空文庫