・・・最初は犯行そのものを否認しつづけ、同月二十日に至り平山検事に単独犯行を自供した。それが九月十三日になって、神崎検事に対してこんどは自分一人ではないと共同正犯を主張した。そして相川検事にもこれを述べ、さらに十一月二日には自由法曹団の弁護人をこ・・・ 宮本百合子 「それに偽りがないならば」
・・・堰いっぱいに充ちて来ている民主的要求の潮がバネとなって、つよくはじき出された既成権力への否認ではなかった。余り非人間だった過去の方法に対してその限り反撥し否認したのであって、それに代る自分たちの社会的発言力の構成としての政治形態は、はっきり・・・ 宮本百合子 「誰のために」
・・・最も文壇的勘の達した評論家小林秀雄氏などが彼をして存在させている文学青年を否認しようとしているのは、何故であろう。ブルジョア文壇の自解作用が、急速に進みつつあることが感じられるのである。 文学青年と一括して呼ばれる若い時代の社会的・経済・・・ 宮本百合子 「文学における今日の日本的なるもの」
出典:青空文庫