・・・ とうに別格官幣大社になるはずではあるけれ共、資産のとぼしいばかりに今も尚、幾十年かたここに建てられたと同じ位に居なければならないのであった。 それほど差し迫った生活の味を知らない私共は、真の貧と云う事は知らない。 精神的に慰安・・・ 宮本百合子 「農村」
・・・ 自由党その他反動政党が、幣原内閣と連結して、天皇に拒否権を与えたとき、それがどう発動するかは天日のように明かである。議会は、そして全日本は、再び黒雲に閉されるのである。供出に対する強権発動によって、地方では首を吊る者が出ている。米がな・・・ 宮本百合子 「矛盾とその害毒」
・・・ 幣原内閣の無策と不誠意とは、既に人民のあらゆる層より批判されている。財閥解体という身ぶりをしても真実にはあらゆる方法をつくして大財閥の利益を守るために熱中している幣原内閣を信頼している者はいないのである。このように、すべての課題をとき・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫