・・・未開な、暗い頭脳が一むきに、ぜすきりしとを信奉し、まことに神の羊のように一致団結して苦難に堪えて来た力は、驚くべきだ。公平な立場から書かれた歴史を読むと、私共はシャヴィエル、ワリニヤニ等初期の師父――伴天連達が、神の福音をつげるに勇ましかっ・・・ 宮本百合子 「長崎の印象」
・・・ メーデーは、皆さんも御承知の通り世界のプロレタリア・農民の男女が一斉に立って、勤労階級の団結の力を敵の前に示威する国際的な日です。今から四十二年前アメリカとヨーロッパの労働者が数百万人が五月一日を期して示威行列を行ってから、日本では今・・・ 宮本百合子 「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」
・・・ この部落十七軒が団結して独占地主××と闘争をはじめたのは昨日今日のことではない。旧労農党時代からだ。近隣の三部落も全農支部を組織して勇敢に闘争している。中でもこの部落は四・一六と二・一六とに犠牲者を出した。組合員は地主との闘争の焦点を・・・ 宮本百合子 「飛行機の下の村」
・・・ 勿論、右のような経済的制度、基礎的団結のみが箇人の価値を、急激にあげようとは思いません。 然し、例えば彼女のように、或る程度の人格的覚醒と同時に、伝習的虚弱さを具有する今日の多数の女性の為には、少くとも、生活の根本動機を自己の心意・・・ 宮本百合子 「ひしがれた女性と語る」
・・・由来一つの大衆的な運動というものが、真の精鋭のみの小団結ではなく、そのものの周囲に幅広く種々雑多の人間を引きつれて、塵埃も残滓もそれぞれの時代の歴史性に従って残しつつ更に大きなプラスを持って積極的な進歩のための役割を果すものである。一人一人・・・ 宮本百合子 「ヒューマニズムへの道」
・・・日本の婦人は、祖国と自分たちの日々をこれ以上の破滅から救うために、平和を守ろうと努力しているアジア、ヨーロッパ、アメリカのすべての婦人たちと団結し、具体的に働きだしてゆかなければならない。 日本のわたしたちは、全面講和によって世界の全面・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
・・・真実の婦人参政権の要求を持つなら、或は先に、普通選挙法の実施を団結し熱烈に追求すべきであるかもしれません。〔一九二三年二月〕 宮本百合子 「法律的独立人格の承認」
・・・ 暴圧の嵐はプロレタリアート・農民・インテリゲンチアの解放に向って燃える焔を消し得ないばかりか、ますます強固な鉄の団結を教える尊い証拠です。 私をついに釈放した官憲は、出てから後、私と大衆とを切りはなし、私の積極性を奪おうとして、いろい・・・ 宮本百合子 「ますます確りやりましょう」
・・・世界にはこんにち七億人の人々が平和のために団結している。世界民主婦人連盟は七千万の婦人の組織で、ファシズムと侵略的な戦争で犠牲となった世界各国の婦人たちが、熱烈に平和と社会生活の確立、児童の保護、民族の自立のために働いている。十二月には新し・・・ 宮本百合子 「「未亡人の手記」選後評」
・・・そういうよろこびは、すべて、私たち日本の働く人民が、来年五月を迎えるまでの一年の間に、どれだけ自分たちの団結の力、組織の力をつよめ、日本を働いて生きるものの幸福のための社会にしたかということを照りかえして見せる鏡となるのである。 五月一・・・ 宮本百合子 「メーデーに歌う」
出典:青空文庫