・・・されば御家相続の子無くして、御内、外様の面、色諫め申しける。」なるほどこういう状態では、当人は宜いが、周囲の者は畏れたろう。その冷い、しゃちこばった顔付が見えるようだ。 で、諸大名ら人の執成しで、将軍義澄の叔母の縁づいている太政大臣九条・・・ 幸田露伴 「魔法修行者」
・・・そしてそれらの社員は単に寄書家という格で外様大名のような待遇を受けるのでなくて、その社の仕事の全体に参与しかつ責任を負うものでなくてはならない。これらの記者たちはそれぞれ専門の方面で一般のために有益であるべきあらゆる重要事項の正確な報道紹介・・・ 寺田寅彦 「一つの思考実験」
・・・ 兄九郎兵衛一友は景一が嫡子にして、父につきて豊前へ参り、慶長十七年三斎公に召しいだされ、御次勤仰つけられ、後病気により外様勤と相成り候。妙解院殿の御代に至り、寛永十四年冬島原攻の御供いたし、翌十五年二月二十七日兼田弥一右衛門とともに、・・・ 森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
出典:青空文庫