・・・ 六、妬むにはあらねど、いかなるわけか、成功者の悪口を言う傾向あり。 七、「サヨナラだけが人生だ」という先輩の詩句を口ずさみて酔泣きせし事あり。 八、他をも恨めども、自らを恨むこと我より甚しきはあるまじ。 九、起きてみつ寝て・・・ 太宰治 「花吹雪」
・・・一 凡婦人の心様の悪き病は、和ぎ順ざると、怒恨むと、人を謗ると、ものを妬むと、智恵浅きと也。此五の疾は十人に七、八は必ず有り。是婦人の男に及ざる所也。自ら顧戒めて改去べし。中にも智恵の浅き故に五の疾も発る。女は陰性也。陰は夜にて・・・ 福沢諭吉 「女大学評論」
・・・ぼくは人を軽べつするかそうでなければ妬むことしかできないやつらはいちばん卑怯なものだと思う。ぼくのように働いている仲間よ、仲間よ、ぼくたちはこんな卑怯さを世界から無くしてしまおうでないか。一九二五、四月一日 火曜日 晴・・・ 宮沢賢治 「或る農学生の日誌」
・・・予は決して鴎外の敵たる故を以て諸君を嫉むものではない。明治三十三年一月於小倉稿。 森鴎外 「鴎外漁史とは誰ぞ」
出典:青空文庫