・・・各学年を通じて七〇%、「根気がない」三年七六%、六年七三%、「理窟をこねるが実行力がない」各学年四二%そのほかだった。青少年の育ってゆく精神によりどころを与えることが必要だということは誰のめにも明らかになっている。文相天野貞祐が、各戸に日の・・・ 宮本百合子 「修身」
・・・ 夏、共産少年少女の野営地を訪問すると、赤い旗が翻る愉快な日かげで、男の子女の子とりまぜの炊事当番が、ジャガ薯の皮むきをやっている光景によくぶつかる。 学年が進むと、級の日常生活は男女生徒の衛生委員、経済委員、学務委員、社会活動委員・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・それはどういうことかというと例えば学年のプランが「春」という題を出す。そうすると、春は大人が都会及農村でどういう働きをするか、大人の働きを子供がどういう風に助けて働くかというテーマを出して、実際問題と結び付けて教えて行く。 教育は労働と・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・いかにも学年試験で亢奮しているらしく、争って場席をとりながら甲高な大きな声で喋り、「アラア、だって岡崎先生がそう云ってたよ、金曜日だってよ」「豊ちゃん! と、よ、ちゃんてば! 飯田さんやめたよ」 次の駅でその女学生たちは大抵降り・・・ 宮本百合子 「東京へ近づく一時間」
・・・その上学童の知能は低下したからと、文部省はこの新学期に、四学年用のものをのぞいて数学の教科書『さんすう』の内容を一学年ずつくり下げたものにして与えた。それも一般にはしらさずこっそりやって、父兄をおどろかし、子供たちをがっかりさせている。学童・・・ 宮本百合子 「平和をわれらに」
・・・ある独逸語教授の非常識な採点法によって、学年試験に三十五人のうち十七人落第させられる。その内の一人となる。八月、足尾銅山に遊び、処女作「穴」を書く。この作品は川村花菱氏を通じ伊原青々園の『歌舞伎』にのせられた。 一九一一年。名古屋の或る・・・ 宮本百合子 「山本有三氏の境地」
・・・ 一、学年末断想 中村由美 題がそれを語っているとおり、これは全く感想です。けれども、小さい子供の真の価値と学課の点数の問題にくいちがいを見て苦しむ若い女先生の心情は読む者に感銘を与えます。こういう軟かく瑞々しい感情をもっている・・・ 宮本百合子 「ルポルタージュの読後感」
出典:青空文庫