・・・の有機的な系統に関する分析的な研究が遂げられる日の来るのを期待したく思うのである。 七 短歌の連作と連句 近ごろ岩波文庫の「左千夫歌論抄」の巻頭にある「連作論」を読んで少なからざる興味を感じたのであるが、同時に連・・・ 寺田寅彦 「連句雑俎」
『集団行進』をいただき、大変に興味ふかく、得るところも多く拝見しました。巻頭の序文によると、この集は最近一年間において短歌をつくる労働者作家が非常にふえたことを一つの特徴として示しているとのことです。 この一年と云えば私・・・ 宮本百合子 「歌集『集団行進』に寄せて」
・・・という巻頭論文がのっている。貪るように読んだ。同志蔵原をはじめ、多くの同志たちの不撓の闘争が語られてある。その中に自分の名も加わっている。読んでいるうちに覚えず涙がこぼれそうになった。このような涙を見せてやるのは勿体ない。――自分は段々椅子・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・ この集の巻頭にある「無罪の判決」の中には探求すべきいくつかの問題がかくされているのである。話の筋は、氏の得意とされる馴れの行動による知識人夫妻の悲劇的殺傷問題である。良人が兇器をもって不自然に死んだ妻の傍に立っていた。だから良人が手を・・・ 宮本百合子 「作家のみた科学者の文学的活動」
・・・石川達三氏は、今日の人民的な民主主義をうちたてようとしているすべての正直な人々の努力の真只中でこういう放言をしながら、四国地方の反動団体の巻頭言などを書いています。 また先日日比谷で行われたユネスコの大会で、ユネスコ文学のことについて演・・・ 宮本百合子 「一九四七・八年の文壇」
・・・『新日本文学』第四号の巻頭に、中野重治さんが「批評の人間性」という論文をかいています。民主主義文学の伝統にたいして正当性をかいている平野謙、荒正人氏たちの論説を反駁し、書きぶりは、アクロバットめいているが、衝く点はたしかについています。こう・・・ 宮本百合子 「一九四六年の文壇」
・・・ また、七月の『文学評論』の巻頭言には、「批評における図式主義の再発を防ぐ」という論文があって私の興味をひいた。 この論文では、創作方法の問題を再び「現実認識の一般方法の問題」「唯物弁証法」に「還元しきる傾向」が最近若い批評家の中に・・・ 宮本百合子 「近頃の感想」
・・・ 就職のことその他 今月号『働く婦人』の巻頭の檄にあるとおり、つい先頃、日本プロレタリア文化連盟に加えられた理由のない弾圧のため『働く婦人』直接購読者の一部に被害があるらしいことを非常に心配しているところなので・・・ 宮本百合子 「「我らの誌上相談」」
・・・ 自分はこの書を読み始めた時に、巻頭においてまず強い激動を受けた。それは自分がアフリカのニグロについて何も知らなかったせいでもあるが、また同時に英米人の祖先たちがアフリカに対して何をなしたかを知らなかったせいでもある。自分はここにその個・・・ 和辻哲郎 「アフリカの文化」
出典:青空文庫