・・・第一条 ロシア社会主義連邦ソヴェト共和国領域内ニオケル土地、地中埋蔵物、水域、森林オヨビ生ケル自然力ニ対スル私有権ハ永久ニ之ヲ廃止ス。第二条 土地ハ一切ノ賠償ナクシテ今日限リ全労働大衆ノ使用ニ帰スルモノトス。 ツァー、貴族、教会・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ 中国は中華人民共和国になって、旧い年号というものを廃止しました。日本にも年号を廃止してもよいのではないかという説が出て来ています。これは、当然そうあっていいことだと思います。なぜならば、こんにち世界の人民は、ヨーロッパでも、アジアでも・・・ 宮本百合子 「国際婦人デーへのメッセージ」
・・・吉原の公娼制度が廃止されることは、健全な結婚の可能性が我々の生きる今日の社会条件の中に増大されたのではなくて、多額納税議員をもその中から出している女郎屋の楼主たちが、昨今の情勢で営業税その他を課せられてまでの経営は不利と認めたからである。・・・ 宮本百合子 「昨今の話題を」
・・・治安維持法が廃止され、憲兵・特高制度が廃止されたということは、直接治安維持法の対象とされていた民主的な思想の人々を解放したばかりではなかった。生きのこった日本の全人民が、はじめて幾重もの口かせ、手かせからときはなされたことを意味した。ニッポ・・・ 宮本百合子 「三年たった今日」
・・・このことを思えば勤労所得税の廃止は、当然すぎる。まして、きょうの新聞によると、日本には西ドイツと同じように、経済集中排除法を緩和して資本家の復活を可能にしようという案が示されている。「極東委員会の、ソヴィエト、中国、フィリッピン等の各国・・・ 宮本百合子 「正義の花の環」
・・・日本の治安維持法が昭和三年に制定されて、昨二十年の秋廃止されるまでの十七年間に、ものを考え、日本の未来について憂慮する人々を約十万人も投獄した。幾人もの人が獄中、獄外で殺された。治安維持法が廃止された去年の秋、その法律の犠牲になった人々は、・・・ 宮本百合子 「世界の寡婦」
・・・ 新しく採択された中華人民共和国の大憲章が、その第一章第六条、第五章第四十八条に「婦人を束縛する封建制度を廃止」し、母性福祉を約束していることは当然といいながら、その現実的な価値ははかりしれません。なぜなら、新しい中国の人民社会において・・・ 宮本百合子 「宋慶齢への手紙」
・・・彼は、サン・シモンの今日から見れば空想的な社会主義を勉強した急進的学生として、特にロシア民族の発達のために農奴制廃止を熱心に主張した一人であった。 一八四二年にゴーゴリが死んだ。その時、ツルゲーネフは極めて自然の感情の発露によってゴーゴ・・・ 宮本百合子 「ツルゲーネフの生きかた」
・・・そして、支配階級の立場の弱さをかくす為にされようとする統一審理廃止に対しては、どこ迄も統一審理を継続させるよう闘わなければなりません。〔一九三二年九・十月〕 宮本百合子 「同志たちは無罪なのです」
・・・八〇年代の農奴制度の偽瞞的な廃止やその後に引きつづいて起った動揺に対して行われた弾圧のために消極的になった急進的な若い分子は、この饑饉の惨状の現実をモメントとして民衆悲惨の問題を再びとりあげて立った。ゴーリキイがまだ二十一歳ぐらいでニージュ・・・ 宮本百合子 「冬を越す蕾」
出典:青空文庫