-
・・・しかし一つの分子の通過したくらいでは、おそらくその径路への影響は短時間に消滅してしまうであろうと考え、ただ同種の分子が種々の径路を通ってある地域に到着し、ある時点におけるその密度が相当の大きさに達した場合にのみ、その地点の国語に固定的の影響・・・
寺田寅彦
「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
-
・・・によると、アラビアのムタカリムンと称する一派の学者は時を連続的と考えないで、個々不連続な時点の列と考えている。しかしてやはり人間感覚に限界のあるという事で、この説の見かけ上の不都合を弁護しているそうである。これも注意すべき事である。 R・・・
寺田寅彦
「ルクレチウスと科学」