晩景(ばんけい)
の例文・使い方・用例・文例(2)
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・・・庵を上げた見世物の、じゃ、じゃん、じゃんも、音を潜めただからね――橋をこっちへ、はい、あばよと、……ははは、――晩景から、また一稼ぎ、みっちりと稼げるだが、今日の飲代にさえありつけば、この上の欲はねえ。――罷り違ったにした処で、往生寂滅をす・・・
泉鏡花
「山吹」
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・・・ 唖々子の戯るるが如く、わたしはやがて女中に会計なるものを命じて、倶に陶然として鰻屋の二階を下りると、晩景から電車の通らない築地の街は、見渡すかぎり真白で、二人のさしかざす唐傘に雪のさらさらと響く音が耳につくほど静であった。わたしは一晩・・・
永井荷風
「十日の菊」
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