・・・この年竹村書房から小説集『乳房』、白揚社から評論集『昼夜随筆』が発行された。一九三八年この年一月から翌年の四、五月ぐらいまで作品の発表が不可能になった。戦争がすすむにつれて出版物の検閲は、ますますひどくなって編輯者たちは・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・ そんなことを考えていた折から河出書房版、新世界文学全集第十一巻、シチェードリンの「ゴロヴリョフ家の人々」が配本されて来て、非常に興味をひかれ、今三分の二ほどよみ進んでいる。 この小説の訳者は、少くとも原文に忠実であろうとするあらゆ・・・ 宮本百合子 「翻訳の価値」
・・・という叢書が東京河出書房から出されはじめた。法学博士穂積重遠、中川善之助両氏の責任監輯で、各巻第一部史論篇、第二部法律篇全部で五巻十冊の予定である。内容は婚姻。離婚。親子。家。相続。各巻をなしていずれも、今日に至るまでの社会の歴史の発達の面・・・ 宮本百合子 「若い婦人のための書棚」
出典:青空文庫