・・・ ソヴェト同盟では、ピオニェールの野営、林間学校から、専門学校、大学まで寄宿舎は男女共同だ。 数が半々だと、女生徒は階下、男生徒は二階という工合に、分れて寝室をもっている。食堂、勉強室、クラブ室などは勿論共通だ。 学校ばかりか、・・・ 宮本百合子 「砂遊場からの同志」
・・・ 区の林間学校とピオニェールの夏の野営というものが、ちゃんと子供のために手をひろげて待っている。 親の給料の額によって、有料、無料。とり扱いは全く同一だ。五六十人から五六百人までの男の子、女の子、プロレタリアート闘士の交代者たちが、・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の夏休み」
・・・成人、大人になった人間の健康状態を良くするという点、それから子供を出来るだけ丈夫に育てること、それには林間学校を拵えたり、工場付属の療養所、それから転地療養、それから現在は病気になっていないけれども、このまま働いて行けば病気になってしまうと・・・ 宮本百合子 「ソヴェト・ロシアの素顔」
・・・ 夕闇の林間道をあるきながら、重吉は、「今ごろ、電車、どうだろう」と云った。「こみかた?」「来たとき位ならいいね」「ひどいと思うわ、時間がよくないんですもの」 その駅にどっさりの乗客が待っているというのではなかっ・・・ 宮本百合子 「風知草」
出典:青空文庫