・・・英米が之に服従すべきであるのみならず、枢軸国も之に傚うに至るであろう。 西田幾多郎 「世界新秩序の原理」
・・・経済の枢軸の廻転は民衆にとっては増税としてのみ最もはっきり感得されるという状態である。小説は、果してこの急激な底潮を感じさせる時代の空気と動向とを芸術化しているであろうか。 文学の仕事に従事するのは何時の時代にもそれぞれの階級の知識的な・・・ 宮本百合子 「今日の文学の鳥瞰図」
・・・同じその時期、日本での人民戦線の提起が、どんなにその枢軸たる社会性・政治性を抜き去ったものとして行われたか。階級性ぬきのものとしようとしてついに能動精神というモットーにおち、もう一段の悪情勢で、日本の文学がほとんどまったく侵略戦争のローラー・・・ 宮本百合子 「作家の経験」
・・・そしてそのひどい震盪は、純文学の枢軸であった人間としての自我の拠りどころを全く見失わせるに至った。この純文学の悲劇は、しかしながら既に数年に亙って準備されていたものであったとも云える。何故なら、プロレタリア文学との対立の時期に於ても、純文学・・・ 宮本百合子 「文学精神と批判精神」
出典:青空文庫