なみだがわ【涙川】
涙があふれ流れるのを川にたとえた語。また、川のように流れ出る涙。なみだのかわ。「つれづれのながめにまさる—袖のみぬれて逢ふよしもなし」〈古今・恋三〉
なみだきん【涙金】
同情して与える金。また、お情けで与えるわずかな金。特に、これまでの関係を絶つときなどに与える少しの金。
なみだごえ【涙声】
涙ぐんだ時の声。泣き出しそうな人の声。「—で訴える」
なみだたけ【涙茸】
イドタケ科のキノコ。木材を腐らせる菌で、建物の湿った所などに繁殖し、扇形に広がり、白色から暗褐色になる。発育中は水分を含み、涙のように水滴を出すのでいう。
なみだながら【涙乍ら】
[副]涙を流しながら事をするさま。泣きながら。「—に語る」
なみだのあめ【涙の雨】
涙がはげしく流れ落ちることを雨にたとえた語。「いとせき難き—のみ降りまされば」〈源・幻〉
なみだのいと【涙の糸】
ほおを伝わり、筋となって流れる涙を糸に見立てた語。「二人の心ぞ不憫なる、—の結び松」〈浄・曽根崎〉
なみだのいろ【涙の色】
1 ひどい悲しみや憤りのときに流すという、血のような涙の色。「いにしへを恋ふる—に似てたもとに散るは紅葉なりけり」〈山家集・中〉 2 涙を流し泣くようす。「先非を悔ゆる父が心、—にも見ゆらんものを」〈謡・雲雀山〉
なみだのそこ【涙の底】
流す涙がたまってできた淵 (ふち) の底。「恋ひわぶる心は空に浮きぬれど—に身は沈むかな」〈千載・恋五〉
なみだばし【涙箸】
嫌い箸の一。箸でつまんだ食べ物の汁をたらしながら皿や口に運ぶこと。