・・・で幸徳秋水以下三十余名の人々が検挙され、ファーブルの『昆虫の社会』という本まで社会という字がついていると云って発禁されるような、日本の社会主義弾圧のもとに暴力的な日韓合併が行われた年であった。この一九一〇年にコペンハーゲンで第二インターナシ・・・ 宮本百合子 「婦人デーとひな祭」
・・・にわるいところがあるとか、つまり毎号意地悪く発禁攻めにしても大衆の伸びる力はおそろしい。次第次第に育って来る『働く婦人』をつぶす口実を、編輯長である私の答弁の中からひっぱり出そうとするわけです。 いくらブルジョア、地主の官憲がいけないと・・・ 宮本百合子 「ますます確りやりましょう」
・・・は美術展覧会の裸体画を撤回させ「モリエールの作品が孝行の本義に背くと云って、その全訳を発禁に処した。そして更に時の首相陶庵公が序文を附したゾラの一訳書が、西園寺内閣の内務大臣によって発禁されたこともあった」 当時「文芸委員会」の委員であ・・・ 宮本百合子 「矛盾の一形態としての諸文化組織」
出典:青空文庫