・・・この事情は、はじめぼんやりとした日本の社会と婦人の生活の民主化を希望して集りはじめていたクラブの発起者たちの間に変化をもたらした。ある人はこの第一回選挙に立候補してまっすぐ政治生活に入っていったし、ある人は婦人労働問題や教育問題で専門の方面・・・ 宮本百合子 「その人の四年間」
・・・そこで水瓜をたべ、引茶氷というの、お文公の発起でとったが、この引茶は不味。半分もたべなかった。それから角の本やによって、第一書房のをとって、来月の『アララギ』を一冊とらせる注文をして、玉川電車にのりました。暑く、汗が出る、出る。水瓜の汗故、・・・ 宮本百合子 「日記・書簡」
・・・山川菊栄などが実際の発起者で、与謝野晶子、埴原久和代、其の他多勢とロシヤ飢饉救済会の仕事をした。一九二三年関東大震災の被害は直接は受けなかった。三宅やす子の『ウーマンカレント』を中心とし小規模の救援事業をした。野・・・ 宮本百合子 「年譜」
・・・そしてフランチェンスウェヒを横切って、ウルガルン王国の官有鉄道の発起点になっている堤の所へ出掛けた。 ここはいつもリンツマンの檀那の通る所である。リンツマンの檀那と云うのは鞣皮製造所の会計主任で、毎週土曜日には職人にやる給料を持ってここ・・・ 著:モルナールフェレンツ 訳:森鴎外 「破落戸の昇天」
出典:青空文庫