目は両視せずして明らかに耳は両聴せずして聡し
《「荀子」勧学から》両眼は二つのものを同時に見ないからはっきり見え、両耳は二つの音を同時に聞かないから的確なのである。一事に集中せよという戒め。
目引き袖引き
声を出さずに、目で合図したり袖を引いたりして、相手に自分の意志を知らせるさま。「—して笑うが人情」〈逍遥・当世書生気質〉
目見立つ
目をとめる。注目する。「さらに—・つる人なし」〈方丈記〉
目も当てられない
あまりにもひどい状態で見ていられない。「悲惨で—◦ない事故現場」
目もあや
1 まぶしいほどりっぱなさま。「—な舞台衣裳」 2 意外で驚きあきれるさま。はなはだしくひどいさまにいう。「ここに、かく渡り給ふのみなむ、—に、おぼろげならぬことと」〈源・総角〉
目も及ばず
《すべてを見ることができない、の意》非常にすばらしい。りっぱである。「—◦ぬ御書きざまも」〈源・帚木〉
目もくれない
少しの関心も示さない。見向きもしない。「仕事以外のことには—◦ない」
目もすまに
目も休めずに。目も離さずに。「—守るしなひのひまをなみとける御法のきしもいとなし」〈散木集・六〉
目もなく
目を細くして。「うれしげに、—打ち笑ひ」〈仮・東海道名所記・六〉
目も遥に
目の届くかぎりはるかなさま。和歌では「春」「芽も張る」などに掛けて用いる。「津の国の難波の葦の—しげき我が恋人しるらめや」〈古今・恋二〉