・・・ケーテが民衆の生活を描く画家として属していた歴史の世代が、ドイツにおける社会民主党の擡頭期とその急速な分裂の時代であったことはケーテの芸術のこの特徴と関係が深い。 ケーテが日常生活から題材をとって描き出しているスケッチには、感動させずに・・・ 宮本百合子 「ケーテ・コルヴィッツの画業」
・・・当時三十三歳であったゴーリキイより二歳年下のレーニンは妻クループスカヤとミュンヘンにいて社会民主党の全国的新聞『イスクラ』を出すために活動し、有名な「何を為すべきか」を書き上げた頃である。ゴーリキイは「小市民」、「どん底」と続けて戯曲を書い・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの人及び芸術」
・・・二年後、ゴーリキイは社会民主党と関係をもちはじめ、二十余年に亙るレーニンとの友情が結ばれるに至った。 ロシアの社会は急激な濤に押され、世界史に顕著な一九〇五年の一月九日の日曜日の事件では、ゴーリキイは罪なく失われた民衆の生命に対して沈黙・・・ 宮本百合子 「逝けるマクシム・ゴーリキイ」
出典:青空文庫