ささがにの【細蟹の】
[枕] 1 蜘蛛 (くも) の意から、「蜘蛛」また同音の「雲」「曇る」にかかる。「—くものふるまひ哀れなり」〈玉葉集三〉 「—曇らぬ空に雨のみぞ降る」〈後拾遺・雑三〉 2 蜘蛛の糸の意から、「糸」また同音の副詞の「いと」および「厭 (いと) ふ」などにかかる。「—いとかくまでは思はざりしを」〈実方集〉 「—厭はれながらかかる契りは」〈風雅・恋四〉 3 蜘蛛の「網 (い) 」というところから、「い」を頭音とする「今」「命」などにかかる。「—今はと限るすぢにても」〈かげろふ・中〉 「—命を今は何にかけまし」〈後拾遺・恋三〉
ささがにひめ【細蟹姫】
《蜘蛛 (くも) が糸をかけるところから》織女星の異称。たなばた姫。《季 秋》