・・・そんなユーモラスな一つの記録も、こんにちよめば、制服の警官が臨監して、中止! 中止! と叫ぶ場内の光景はいきいきと目にうかんで来る。われわれの文学史の、これが生きた一頁であった。「一連の非プロレタリア的作品」という論文は当時やかましく論・・・ 宮本百合子 「あとがき(『宮本百合子選集』第十巻)」
・・・すると築地署の臨監が「公安に害ありと認め興行届認可を取消す」と怒鳴った。まだ歌一つうたいもしないうちに、何が公安に害ありでしょう! 余りいわれない弾圧だ。若い婦人が大部分を占める聴衆は坐席から立ち上りはしたが動こうとはしない。警官がそれを邪・・・ 宮本百合子 「日本プロレタリア文化連盟『働く婦人』を守れ!」
出典:青空文庫