じこしほん【自己資本】
1 企業の総資本のうち、株主などから調達した資本金と、経営活動の結果得られた剰余金とを合計したもの。株主資本。⇔他人資本。 2 平成18年(2006)施行の会社法では、「株主資本」(資本金・資本剰余金・利益剰余金・自己株式など)と「評価・換算差額等」(その他有価証券評価差額金・繰越ヘッジ損益・土地再評価差額金など)を合計したものが自己資本とされる。「株主持分」と呼ばれる場合もある。
じこしほんひりつ【自己資本比率】
自己資本と他人資本を合計したものである総資本に占める、自己資本の割合。数値が高いほど企業の安定性が高いとされる。株主資本比率。 [補説]自己資本は返済義務のない資本であり、銀行の場合、不良債権などの損失を適切に処理し業務を健全に運営するために十分な自己資本が必要となる。バーゼル合意では、自己資本比率は、通常の自己資本比率とは異なり、リスクウエートを乗じた総資産を用いて算出され、国際業務を行う銀行に8パーセント以上の自己資本比率維持を求め、海外拠点をもたない、国内業務を行う銀行に対して4パーセント以上の自己資本比率維持を求めている。また、日本国内の証券会社については、金融庁が自己資本規制比率を定めている。この場合の自己資本比率は、固定化されていない自己資本の額(資本金や劣後ローンなどの自己資本から固定資産や自己株式を差し引いた額)をリスク相当額(市場リスク・取引先リスク・基礎的リスクの合計)で割って算出したもので、140パーセントを下回ると金融庁への届け出が必要となり、120パーセントを下回ると業務の方法の変更が命じられ、100パーセントを下回ると業務の全部または一部の停止を命じられる場合がある。
じこしほんひりつきせい【自己資本比率規制】
⇒バーゼル合意
じこしほんりえきりつ【自己資本利益率】
⇒アール‐オー‐イー(ROE)
じこしゅぎ【自己主義】
⇒利己主義 (りこしゅぎ)
じこしょうか【自己消化】
生物体が自己の体内に保有する酵素により体の成分を分解すること。自己分解。
じこしょうかい【自己紹介】
[名](スル)初対面の人などに自分の名前・職業・身分などを、自分で知らせること。
じこせきにん【自己責任】
1 自分の行動の責任は自分にあること。「投資は—で行うのが原則だ」 2 自己の過失についてのみ責任を負うこと。
じこそがい【自己疎外】
《(ドイツ)Selbstentfremdung》 1 ヘーゲル哲学で、ある存在が自己の本質を本来的自己の外に出し、自己にとって疎遠な他者となること。疎外。 2 初期におけるマルクスの哲学で、資本主義のもとでの人間の非本来的状態をいう。疎外。
じこちゅう【自己中】
[名・形動]《「自己中心的」の略。「ジコチュウ」と書くこともある》何事も自分を中心に考え、他人については考えが及ばないさまをいう。自分勝手。利己的。「—な発言」→自己中心性