袂に縋る
願いを聞いてもらうまでは離すまいと、人のたもとをとらえる。転じて、相手の同情を引いて助けを求める。「—・って食いつなぐ」
袂の露
たもとにかかる涙。「君のみや花の色にも立ちかへで—は同じ秋なる」〈後拾遺・哀傷〉
袂を絞る
たもとをしぼるほど涙を流す。ひどく泣く。「両親に—・らせた事は有 (あっ) ても」〈二葉亭・浮雲〉
袂を連ねる
人と行動を共にする。「賛同者として—・ねる」
袂を分かつ
行動を共にした人と別れる。関係を断つ。離別する。「盟友と—・つ」
たもとおとし【袂落(と)し】
タバコ入れや汗ふきなどを挟む小さい袋。ひもの両端に一つずつ結びつけ、ふところを通して左右のたもとに落としておくもの。
たもとくそ【袂糞】
たもとの底にたまるごみ。
たもとどけい【袂時計】
懐中時計。「秒を刻む—の音」〈漱石・道草〉
たもといし【袂石】
歴史上の人物の袂から落ち、成長して大きくなったといういわれのある石。