・・・私の生れた家は、ご承知のお方もございましょうが、ここから三里はなれた山麓の寒村に在りまして、昔も今も変り無く、まあ小地主で、弟は私と違って実直な男でございますから、自作などもやっていまして、このたびの農地調整とかいう法令の網の目からも、もれ・・・ 太宰治 「男女同権」
・・・農民組合は日本全国にわたって供出の合理化と公正な農地調整法の実現のために闘っており、日本でははじめて全国的な農民組合婦人部の大会が近々にもたれようとしています。 つい一年ばかり前はあのような屈従を強いられていた日本の全女性が、各方面でこ・・・ 宮本百合子 「国際民婦連へのメッセージ」
・・・ 壁が乾きたての小アパートという風なその二階建の建物は、ひろい農地のまんなかにポツンとたって秋日和に照らされている。門と玄関口との間が広場で、その一方に足場をほぐした丸太や板がつみ重ねてあった。それによりかかったりして、十五六人の女のひ・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・は、ナチスの侵略で旧いポーランドの権力が崩壊し、西部ウクライナが解放され、そこに新しい農地と新しい人間関係が生れいく姿が描かれた。 ワンダ・ワシレーフスカヤは、現代の能力ある前衛婦人の一つの典型のように働いている。世界平和と民族の自立、・・・ 宮本百合子 「ワンダ・ワシレーフスカヤ」
出典:青空文庫