ちかまつき【近松忌】
近松門左衛門の忌日。陰暦11月22日。巣林子忌 (そうりんしき) 。巣林忌。《季 冬》「けふも亦心中ありて—/虚子」
ちかまつしゅうこう【近松秋江】
[1876〜1944]小説家。岡山の生まれ。本名、徳田浩司。情痴におぼれる自己を赤裸々に描いた。作「別れたる妻に送る手紙」「疑惑」「黒髪」など。
ちかまつとくぞう【近松徳三】
[1751〜1810]江戸後期の歌舞伎作者。大坂の人。初名、徳蔵、次に徳叟 (とくそう) 。近松半二に入門。上方の劇壇で活躍。代表作「伊勢音頭恋寝刃 (いせおんどこいのねたば) 」。
ちかまつはんじ【近松半二】
[1725〜1783]江戸中期の浄瑠璃作者。大坂の人。儒学者穂積以貫 (ほづみこれつら) の子。2世竹田出雲の門人。その作の多くは合作であったが、舞台技巧にすぐれていた。代表作「奥州安達原」「本朝廿四孝」「妹背山婦女庭訓 (いもせやまおんなていきん) 」「新版歌祭文」など。
ちかまつもんざえもん【近松門左衛門】
[1653〜1725]江戸中期の浄瑠璃・歌舞伎作者。越前の人。本名、杉森信盛。別号、巣林子 (そうりんし) 。坂田藤十郎のために脚本を書き、その名演技と相まって上方歌舞伎の全盛を招いた。また、竹本義太夫のために時代物・世話物の浄瑠璃を書き、義太夫節の確立に協力した。代表作「国性爺合戦 (こくせんやかっせん) 」「曽根崎心中」「心中 (しんじゅう) 天の網島 (あみじま) 」「女殺油地獄 (おんなころしあぶらのじごく) 」「傾城仏の原」など。 [補説]忌日となる陰暦11月22日は、近松忌のほか巣林子忌、巣林忌ともいう。
ちかまつものがたり【近松物語】
溝口健二監督による映画の題名。昭和29年(1954)公開。近松門左衛門の「大経師昔暦」を基に川口松太郎が書いた戯曲「おさん茂兵衛」を映画化したもの。出演、長谷川一夫、香川京子、南田洋子ほか。第5回ブルーリボン賞監督賞受賞。
ちかまつしんじゅうものがたり【近松心中物語】
秋元松代の戯曲。副題「それは恋」。昭和54年(1979)、蜷川幸雄の演出にて初演。近松門左衛門による世話物の作品群をモチーフに、男女の悲恋を描く。同年の菊田一夫演劇賞演劇大賞を受賞。