のこぎりあきない【鋸商ひ】
《鋸が、押すと引くとの両方で切るところから》どっちに転んでも利益を得るように商売すること。駆け引きをたくみにして利益を得ること。また、その商人。「さす手引く手に油断なく、—にして」〈浮・永代蔵・四〉
のこぎりがま【鋸鎌】
刃に鋸のような歯のついた鎌。麦刈りなどに用いる。
のこぎりかみきり【鋸天牛】
カミキリムシ科の昆虫。体は赤褐色または黒褐色で鈍い光沢があり、雄の触角は鋸状。夜行性で灯火に集まる。幼虫は杉・ヒノキなどの倒木に食い入る。
のこぎりくず【鋸屑】
鋸で材木などを切るときに出る屑。おがくず。のこくず。
のこぎりざめ【鋸鮫】
ツノザメ目ノコギリザメ科の海水魚。全長約1.5メートル。吻 (ふん) は長く伸び、その両側に鋭いとげが並んで鋸状をし、中央部付近に一対のひげがある。体色は黄褐色で腹面は淡い。吻で魚を殺し、また海底を掘り起こして小動物を食べる。卵胎生。南日本に多く産し、高級かまぼこの原料。
のこぎりそう【鋸草】
キク科の多年草。中部以北の山地の草原に生え、高さ60〜90センチ。葉は鋸の歯のように切れ込んでいる。夏から秋、淡紅色か白色の小さな頭状花を多数密につける。はごろもそう。《季 夏》「国境に—などあはれなり/青邨」
のこぎりば【鋸歯】
鋸の歯。また、鋸の歯のようにぎざぎざになっているもの。きょし。
のこぎりばん【鋸盤】
鋸を動力で動かし、木材・石材・金属を切断する機械。
のこぎりびき【鋸引き/鋸挽き】
1 鋸で木などをひき切ること。 2 罪人の首を鋸で切る極刑。戦国時代には実際に首を引き切ったが、江戸時代には形式化し、2日間晒 (さら) しのうえ磔 (はりつけ) とした。主殺しなどの大罪人に科した。
のこぎりやね【鋸屋根】
片流れの屋根が連続し、鋸の歯のような形をした屋根。工場など広い面積に均等に採光したい場合に用いる。