難波の葦は伊勢の浜荻
難波で葦と呼ぶ草を伊勢では浜荻と呼ぶ。物の名や、風俗・習慣などは、土地によって違うことのたとえ。
なにわいばら【難波薔薇】
バラ科の蔓性 (つるせい) の常緑低木。葉は卵形の3枚の小葉からなる複葉。夏、白い5弁花をつける。中国の原産で、観賞用に栽培されるが、暖地では野生化。なにわばら。
なにわえ【難波江】
上代、大阪市の上町台地の西側まで来ていた海域の古称。難波潟。[歌枕]「—の蘆のかりねの一夜ゆゑみをつくしてや恋ひわたるべき」〈千載・恋三〉
なにわおどり【浪速踊(り)/浪花踊(り)】
大阪曽根崎新地の芸妓の舞踊会。毎年3月15日から10日間行われる。明治15年(1882)創始。かつては新町の浪速踊りもあった。《季 春》「—見つつはあれど旅疲れ/風生」
なにわがた【難波潟】
「難波江 (なにわえ) 」に同じ。[歌枕]「—短き葦の節の間も逢はでこの世を過ぐしてよとや」〈新古今・恋一〉
なにわく【浪速区】
⇒なにわ
なにわぐさ【難波草】
アシの別名。
なにわじょうるり【難波浄瑠璃】
難波(大坂)に起こった浄瑠璃。京浄瑠璃・江戸浄瑠璃に対していう。播磨 (はりま) 節・文弥節・義太夫節など。
なにわづ【難波津】
上代、難波江にあった港。また、大阪港の古名。[歌枕]「千鳥鳴くふけひの潟を見渡せば月影さびし—の浦」〈聞書集〉 1 王仁 (わに) が詠んだという「難波津に咲くやこの花冬ごもり今を春べと咲くやこの花」の和歌。幼児の手習いの最初に習わせた。難波津の歌。「—をだに、はかばかしう続け侍らざめれば」〈源・若紫〉 2 和歌の道。和歌。
なにわと【難波門】
難波の港。「—を漕 (こ) ぎ出て見れば神さぶる生駒高嶺に雲そたなびく」〈万・四三八〇〉