・・・に腐心して、一歩一歩人民の真の必要から離れつつある政党の首領たちは、その一歩ごとに「生ける屍」となりつつある。〔一九四六年一月〕 宮本百合子 「女の手帖」
・・・新しい社会のエネルギーに対して、その経済的活動の上にも、政治生活の上にも絶対の権力をふるってきた僧侶貴族一家一門の首領たちの権威は、彼等のやり方と共に若い時代にとって重荷になってきた。発展を阻むものになってきた。近代の歴史の担当者として現れ・・・ 宮本百合子 「人間の結婚」
・・・進歩党や自由党の首領たちは、得票を婦人にくわれたと表現しているのである。 日本の婦人は政治に無関心であると、どの位云われて来ただろう。婦人自身にしても、参政権などよりも、やすいお藷がほしいと云い、それどころか暇がなくて、と、何度云って来・・・ 宮本百合子 「春遠し」
・・・そのファシスト団体の首領である児玉誉士夫、葛生能久たちが自由市民の生活にまぎれこんできました。 こういうふうに、国際的に侵略戦争の煽動者であり、ファシズム思想の組織者であったと認められた人びとが、わたしたちの生活にたちまじってきたことに・・・ 宮本百合子 「ファシズムは生きている」
・・・ 憲法発布以前、封建の重荷を脱して新しい日本の社会を作ろうとする気運が純粋に高まっていた時代、その先頭に立ったのは板垣退助を首領として自由民権を唱え、一八八一年に結成された自由党の人々であった。自由民権というとき、当時の日本人は必ず男女・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
出典:青空文庫