・・・ この中に、書きもらされている部分の或る点は、内外社出版の『綜合プロレタリア芸術講座』第一巻にある。ないもの、足りない部分はこれからそれぞれにわけてとりあげて行こうと思う。〔一九三一年一月―一九三二年一月〕・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・本願寺の坊さんが今の世の中に生きていることは仮りの世であって死んでからこそ真実の世界に生きるのだから、現在の苦痛は自分のあきらめた気の持ちようで苦にするなと精神講座を放送するのである。 農村の貧困は事実、一冊の雑誌さえ容易に買えない経済・・・ 宮本百合子 「今日の文化の諸問題」
・・・ 思想史としては、岩波書店版の「世界思潮講座」が、各種の読書手引にも紹介されている本である。日本をこめた世界思潮を知る上に役立つ本にちがいないけれども、すこし読みにくい編輯方法である。一冊の中に一つの題目がまとめられていないで、全十二巻・・・ 宮本百合子 「世代の価値」
・・・又時によると「エスペラント講座」などが放送される。けれども娯楽放送は、そのプログラムの立て方が小市民的であると云う批判がある。郵電省ではその批判を取上げて、プログラムを面白く、だがどこまでも建設のみちにあるソヴェト同盟のプロレタリアートのも・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の芝居・キネマ・ラジオ」
・・・勤労者文学対策の強化、作品指導キカンの設置、講座、学校、入門書の発行、などがあげられているだけで、きょうの段階では、どうしても「勤労者文学」という規定そのものが見直されなければ民主主義文学運動全体として発展しにくいという基本点はとりあげられ・・・ 宮本百合子 「その柵は必要か」
・・・そこに入った。高座の上で支那人が水芸をするのを見物した。小学校の記念日に大神楽がきっと来た時代だ。支那人のする水芸そのものは、黒紋付に袴の股立ちをとった大神楽のやることと大して違いはないのだが、その支那人は、派手な三味線に合わせ、いざ芸当に・・・ 宮本百合子 「茶色っぽい町」
・・・ 僅か三年ばかり前、新潮社が大規模に刊行した世界文学講座のフランス文学篇では、私共は正確なバルザックの略歴さえ知ることが出来ないし、更に昨今の流行とてらし合せて私達の感想を更に一層刺戟するのは、一九三〇年、プロレタリア芸術運動が高まって・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
プロレタリアート・農民諸君! 及びプロレタリアートの勝利を信じるインテリゲンチャ諸君。綜合プロレタリア芸術講座をよんで、プロレタリア芸術の本体を、シッカリ腹にいれてくれ。そして、職場の闘争で諸君が勇敢にダラ幹を排撃するよう・・・ 宮本百合子 「プロレタリア芸術の本体をシッカリ腹に入れてくれ!」
前書 女人芸術の編輯部から一つのたのみをうけた。それは、十月号からずっと二三ヵ月つづけて、文学に関することを何か講座風に書いてくれというのだ。 その話をきいた時はもう締切り間もなく、おいそれと云っ・・・ 宮本百合子 「プロレタリア婦人作家と文化活動の問題」
この講座でわたしの受けもちは「文学と生活」である。この課題は、考えれば考えるほど複雑で規模が大きい。どこからまとめていいかわからないような心持さえする。すべての文学は生活から生れ、生活のうちにかえってそこに生きついてゆく。・・・ 宮本百合子 「文学と生活」
出典:青空文庫