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・・・それらの罪名は、殆どことごとく官吏侮辱による罪である。三木清氏等によって、明治以来、政府は文化政策というのを持たなかったと云われ、アカデミーの問題も今日そこのことからふれられているのであるが、明治初期から文化振興のための政策はなかったかもし・・・
宮本百合子
「文学における今日の日本的なるもの」
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・・・哲学者三木清氏は、この原因を地方的文化の確立がないから、都会の文化がおくれて、しかも低い形で真似られているにがにがしさと見ていられるが、近代の農村と都会とをつないでいる経済関係を知っているものは、文化の根底をもおのずから、経済的なものと観ざ・・・
宮本百合子
「若き世代への恋愛論」