しのぶいし【忍ぶ石】
擬化石の一。石灰岩・頁岩 (けつがん) などの割れ目に二酸化マンガンなどの樹枝状結晶が付着して、シダ類の化石のように見えるもの。模樹石 (もじゅいし) 。
しのぶぐさ【忍草】
1 シノブの別名。 2 ノキシノブの別名。《季 秋》「御廟年経てしのぶは何を—/芭蕉」 3 「忘れ草」に同じ。
しのぶずり【忍摺り/信夫摺り】
シノブの茎や葉の色素を布にすりつけて表したねじれたような模様。また、そのすり模様の衣服。昔、陸奥 (むつ) の国信夫 (しのぶ) 郡(福島県福島市)で産した。もじずり。しのぶもじずり。「その男、—の狩衣 (かりぎぬ) をなむ着たりける」〈伊勢・一〉
しのぶまんじゅう【忍饅頭】
「春日野 (かすがの) 饅頭」に同じ。
しのぶもじずり【忍捩摺り/信夫捩摺り】
「忍摺 (しのぶず) り」に同じ。「みちのくの—誰ゆゑに乱れそめにし我ならなくに」〈伊勢・一〉
しのぶやま【信夫山】
福島市中心部の北方にある山。現在は市街地に囲まれ、市民の憩いの場となっている。標高275メートル。[歌枕]「—忍びて通ふ道もがな人の心のおくも見るべく」〈伊勢・一五〉
しのぶわげ【忍ぶ髷】
女性の髪形の一。頭上に髻 (もとどり) を立て、毛先を二つに分けて両側に広げ、髷 (まげ) を作る。享保(1716〜1736)のころ、若女形中村千弥が「御所桜堀河夜討」の信夫 (しのぶ) の役に用いたかつらに始まり、一般にも広まった。