・・・パンと塩と水とをたべている修道院の聖者たちにはパンの中の糊精や蛋白質酵素単糖類脂肪などみな微妙な味覚となって感ぜられるのであります。もしパンがライ麦のならばライ麦のいい所を感じて喜びます。これらは感官が静寂になっているからです。水を呑んでも・・・ 宮沢賢治 「ビジテリアン大祭」
・・・人々はかれが党類を作って、組んで手帳を返したものとかれを詰るのであった。 かれは弁解を試みたが、卓の人はみんな笑った。 かれはその食事をも終わることができなく、嘲笑一時に起こりし間を立ち去った。 かれは恥じて怒って呼吸もふさがら・・・ 著:モーパッサン ギ・ド 訳:国木田独歩 「糸くず」
出典:青空文庫