・・・でも音楽、文学、映画、演劇、政治研究室、及び図書室が、必ずついている。其の他に「母と子」の部屋と云うのがあって、婦人労働者及妻が集会や映画を見たり演説を聞いたりする間に子供を遊ばせて置く処である。「大クラブ」になると、体育室、水泳プール、大・・・ 宮本百合子 「ソヴェトの「労働者クラブ」」
・・・夏は、風通しよいところで食べられるような大ベランダがある。図書室がある。休憩室がある。此処では四十二カペイキで三皿たべられた。 地下室の炊事場では、薯の皮むきからよごれた皿洗いから、みんな機械だ。白い上っぱりにコック帽の料理人、元気な婦・・・ 宮本百合子 「ソヴェト労働者の解放された生活」
・・・さもなければ、どうして組織された労働者が、組合図書には民主的出版物を買い入れるけれども、自分の小遣でこっそり個人的にロマンスだの何だのというものを買ってよむというようなことが起るでしょう。 よい文学上の仕事をしたいというひとすじの真剣な・・・ 宮本百合子 「討論に即しての感想」
・・・その先に図書室がつづいている。ドミトロフ君が静にドアをあけたところから内部を見ると、中央の大テーブルをかこんでいろいろの雑誌を数人の男女が熱心に見ている。テーブルの程よいところに眼の衛生を重んじた緑色のカサの卓上電燈が配置されてある。別に独・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・ それに、昨夜の予定がすっかり狂って、あんな事のために大切な一日分の仕事がずって来たと云う事も不快で、今夜は、どんなにせわしなくても二日分の事を仕なければならないと、図書から借り出して来た厚い重い本を持って手をしびらして家にたどりついた・・・ 宮本百合子 「二十三番地」
・・・一 私の作品が大衆にどの程度よまれているかいないかということは、出版統計や職場の図書部や文学サークル、図書館その他に調査の大体が示しています。去る三月九日のアカハタにもしるしたとおりであり、これらについては反覆する必要はないでしょう。・・・ 宮本百合子 「文学について」
・・・集団農場にはラジオをただできけるクラブ、托児所、共同食堂等があり、図書室があり、農村婦人の朝夕は人間らしい楽しいものになって来た。 農民、工場に働く男女労働者のためには、昔の宮殿、ブルジョアの別荘がみんな今は「休みの家」或は「療養所」と・・・ 宮本百合子 「ロシア革命は婦人を解放した」
・・・既に過去何十年間かこの宮殿にない図書室、科学、芸術、工業の知識普及のためのクルジョーク。モスクワではあらゆるけちな労働者クラブにさえ満ち溢れるそれらのものを、唯一つの手ばたきでここに視角化する魔力は持たぬ。民衆宮とは日本よりの社会局役人をし・・・ 宮本百合子 「ロンドン一九二九年」
出典:青空文庫