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・・・沼南が大隈参議と進退を侶にし、今の次官よりも重く見られた文部権大書記官の栄位を弊履の如く一蹴して野に下り、矢野文雄や小野梓と並んで改進党の三領袖として声望隆々とした頃の先夫人は才貌双絶の艶名を鳴らしたもんだった。 その頃私は番町の島田邸・・・
内田魯庵
「三十年前の島田沼南」
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・・・が、日本へ帰ったばかりのテオドラ嬢は日本の民間党の領袖に母国の大政治家ジスレリーを私淑する花形役者があるのを少しも知らなかったろうし、またこの和製ジスレリーが未来の良人となる事を少しも予期しなかったろう。噂だから虚実は解らぬが、当時のテオド・・・
内田魯庵
「四十年前」