・・・ qur-r-r-r-r, qur-r-r-r-r」「なにしろトック君はわがままだったからね。」 硝子会社の社長のゲエルは悲しそうに頭を振りながら、裁判官のペップにこう言いました。しかしペップは何も言わずに金口の巻煙草に火をつけてい・・・ 芥川竜之介 「河童」
・・・さすればR = 実際数m/偶然数n = mQ/N(VC) Q = 9, m = 7, N = 48 であれば R = 10.5 となる。活火山だけだと m = 2 なる代わりに N = 14 となるので R = 10.3 で・・・ 寺田寅彦 「火山の名について」
・・・尤も大井愛といったような姓名だと Oo I Ai で少し短かすぎ、また Ty So Ga Be Ta R Za E Mon では少しごたごたし過ぎるかもしれない。但し、漢字でかくのと大した変りはない。それにしても日本の学者の論文が外国に紹介・・・ 寺田寅彦 「KからQまで」
・・・最近に出版された John R. Freeman : Earthquake Damege and Earthquake Insurance を見ると、末広君が米国に招かれるに到った由来が明らかになっている。この本の第二十二章に地震研究方針に・・・ 寺田寅彦 「工学博士末広恭二君」
・・・(L.)rideo, (Fr.)rire は少しちがうが「ら」行であるだけはたしかである。「げらげら笑ふ」「へらへら笑ふ」というから g+l や h+l のような組み合わせは全く擬音的かもしれない。マレイの glak も同様である。馬の笑う・・・ 寺田寅彦 「言葉の不思議」
・・・ かくのごとき仮定のもとに、ある分子が時間tにおいて、距離rと、それより dr だけ大きい距離との間の地帯に達するプロバビリティはW(r, t)dr = 1/4πDt の場合でも、P = s×0.007744 となり、sが4なら・・・ 寺田寅彦 「比較言語学における統計的研究法の可能性について」
・・・ この疫病の記述によってルクレチウスの De Rerum Natura は終わっている。これはわれわれになんとなく物足りない感じを与える。ルクレチウスはおそらく、この後にさらに何物かを付加する考えがあったのではないか。私はこの書に結末ら・・・ 寺田寅彦 「ルクレチウスと科学」
・・・宿場の医者たるに安んじている父の rレジニアション の態度が、有道者の面目に近いということが、朧気ながら見えて来た。そしてその時から遽に父を尊敬する念を生じた。 実際花房の気の付いた通りに、翁の及び難いところはここに存じていたのである。・・・ 森鴎外 「カズイスチカ」
出典:青空文庫