・・・ これらスローガンを書いた赤い横旗を捧げて行く二人の女は、コーカサスの風俗をしている。 オヤ、何だ? あすこから来るのは。 石段の上下にあふれている見物の群衆は一斉に賑やかな行進曲の聞える上手の一団を眺めた。 近づいて見・・・ 宮本百合子 「インターナショナルとともに」
・・・然し、革命は、土地を農民へというスローガンを実現し、農民は自分達の村を自分達で、ソヴェトでおさめることになって来た。十八歳以上の男の女も、ソヴェトの役員に選び、選ばれる。―― 一九一七年から一八――一九年と革命のパルチザンに参加し立派に・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェト同盟の文化的飛躍」
・・・ 二つのスローガン ――「大衆の中へ!」 一九二八年の末から一九二九年にかけて、ソヴェトの芸術は、「大衆の中へ!」というスローガンをかかげていた。 だが、人々は質問するだろう。現代のソヴェト・ロシアの芸・・・ 宮本百合子 「五ヵ年計画とソヴェトの芸術」
・・・ などとスローガンが並べられ、人民を武装蜂起に挑発している。 スローガンだけあるが、生産を国家管理にするといっても、それはどういう国家がどう生産を管理するのであるのか、階級なき新日本と云っても、犬養を殺し、軍部が暴威を振って階級が無くな・・・ 宮本百合子 「刻々」
・・・の発展的解消を提唱し、創作方法のスローガンとして社会主義的リアリズムをかかげ、広汎に強力に、いきいきと、すべての作家よ、めいめいの実践をとおして「社会主義建設を描け」と云っているわけです。 以上の簡単な説明でも明らかなとおり、この「社会・・・ 宮本百合子 「社会主義リアリズムの問題について」
・・・よく働いて、よく休んで、人間らしい文化の生活も営み、教育もうけるというのが人間の生活であり、勤労者人民はそれをどんなに希望しているかは、世界最初のメーデーのスローガンにもあらわれました。二十四時間を、八時間働いて、八時間休養して、八時間教育・・・ 宮本百合子 「社会と人間の成長」
・・・ そこでみんなが賑やかに熱心にメーデーの行列に持ち出す張り物、人形、スローガンを書いた赤いプラカードなどを制作する。 工場工場が趣好をこらして、見テロ! びっくりさせてやるからと、腕によりかけて、いろんなものを拵えるんだ。 何日もか・・・ 宮本百合子 「勝利したプロレタリアのメーデー」
・・・平林たい子氏が、その感想の中で「社会主義的リアリズムは日本の作家の間に漫然と使用されているような超階級的なスローガンではないらしい」といって「我々の現実の再検討によって」日本の現実に即した創作方法のスローガンを要求している。 漫然と超階・・・ 宮本百合子 「新年号の『文学評論』その他」
・・・第一、おととしのメーデーのスローガンであり、去年のメーデーにも主要なスローガンの一つであった働けるだけ食べられるように、という切実な要求は、今年のメーデーに、どんな新しい表現をもってあらわされるのだろう。 何故なら三年の間に最も重要なこ・・・ 宮本百合子 「正義の花の環」
・・・本当に勤労大衆の解放のため先頭に立って闘っている共産党のスローガンどおり機械は労働者の手に、土地は農民に! そして同じ働きをする以上男も女も同じ政治上の権利をもち、同じ賃銀をとるのが当然だ。そうしてこそ始めて仕合わせな毎日の生活が男にも女に・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の婦人と選挙」
出典:青空文庫