・・・ 日本のファシズムが露骨に言論統制をはじめ、文化抑制を強行し、文学者の存在権は文学上の業績ではなくて軍御用の程度によって保障されるようになって行ったとき、ファシストでない大多数の人々は、もちろんその軍部の乱暴を感じていた。無知、野蛮な専・・・ 宮本百合子 「世紀の「分別」」
・・・ 世界民主婦人連盟は八千万の婦人を平和のために組織しています。ファシストのイタリーで青年たちは驚く程多数平和のための青年組織に組織されています。客観的な状勢が平和の可能をもっており、世界の人類がそれを望まない時日本の人だけが未開の国の人・・・ 宮本百合子 「世界は平和を欲す」
・・・それは民主的な人を民主的に生かす為ばかりでなく、ファシストになりたくない人をファシズムから守る為にも必要である。すべての人は生きる権利がある。このことは、すべての人が人間として生きる権利があることにほかならない。そして人間として生きる権利を・・・ 宮本百合子 「前進的な勢力の結集」
・・・つまりきわめて安定のない婦人の経済的自主性を守りつづけてゆくために、彼女たちにとっても疑問が感じられたにちがいないファシスト的処世術にまけました。 この深刻な文化上の婦人の能力の利用されかたと、薄弱な婦人の経済的独立の基礎を考えるとき婦・・・ 宮本百合子 「戦争と婦人作家」
・・・第二次大戦の過程そのもののうちに、世界の民主勢力が、ナチス・ドイツ、ファシスト・イタリー、日本をうち破った。その過程に、すでに世界の一部に片よってたまった巨大な資本そのものの欲望の矛盾がきざしていた。 第二次大戦ののちにつづいておこった・・・ 宮本百合子 「戦争はわたしたちからすべてを奪う」
・・・負傷者はおよそ二十三万、死刑八百十三人という狂気のようなファシストの弾圧のなかを恐れず婦人労働者は、真のプロレタリア解放とソヴェト同盟を守れ! と叫んで闘っている。 ソヴェト同盟の婦人労働者はどんなことがあっても五ヵ年計画を四年でやりと・・・ 宮本百合子 「ソヴェト同盟の三月八日」
・・・ このヨーロッパの資本主義の国々が未来の安全を計るためにとった手段の誤りから国際的痙攣に陥っているすきに乗じて、日本のファシストたちはアジアにおけるファシズムの勝利、資源と市場の独占者になろうとした。われわれの家庭から前線におくられて死・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・などは、農民の解放はプロレタリアートの闘争との結合なしには実現されないこと、社会ファシストの偽瞞と闘うことなしに農民の革命力は正しく発展し得ないことを示した。「工場細胞」「オルグ」は、大衆のうちにあって活動する前衛を日常闘争を通して描き、プ・・・ 宮本百合子 「同志小林の業績の評価に寄せて」
・・・だけれども、それなら日本には、戦争に反対し、国の内外のファシストとたたかい、平和のために心をくだいている婦人もいず、その団体もないのだろうか。そうでないことは、当時行かれなかった日本代表たちのメッセージを見てもわかる。講和についてのおととい・・・ 宮本百合子 「人間イヴの誕生」
・・・前年十月に成立した東條英機内閣はこの時期、彼等にとってもっとも甘美なファシスト独裁の夢をみていた。一九四三年健康状態如何にかかわらず私の作品は発表禁止であった。経済的に困窮した。宮本顕治が一九四〇年に結核のために重態・・・ 宮本百合子 「年譜」
出典:青空文庫