・・・しかしこの鸚鵡石で問題になった事はこの場合当面の問題となって再燃しなければならないのである。伊勢の鸚鵡石にしても今の物理学者が実地に出張して研究しようと思えばいくらでも研究する問題はある。そしてその結果はたとえば大講堂や劇場の設・・・ 寺田寅彦 「化け物の進化」
・・・戦争挑発と日本の軍国主義の再燃にたいして青年と婦人とは胸にいっぱいの抗議をいだいている。ラジオはその時の政府によって官僚統制され、また天降りの独裁放送を行うことを思えば、政府の放送事業法案に対する反対はきわめて強い現実的な根拠をもっている。・・・ 宮本百合子 「今日の日本の文化問題」
・・・ ヒューマニズムの問題において、飽くまで知識階級として独自の解決を見出そうとし、その不可能の企ての内で混迷しつづけて来ている多くの作家は、この文学の大衆化という再燃した課題に向っても、同じように民衆という語と作家という語とを内容的に全く・・・ 宮本百合子 「今日の文学の展望」
・・・現代の日本の文化の中心題目は、民族の民主的・人民的自立、再燃するファシズムとの闘い、ファシズム文化の害悪との闘いです。文化も人民解放の歴史の刻々の段階に応じて人間的表現の核を前進させつつあります。 日本のわたしたちにとって、もっとも警戒・・・ 宮本百合子 「質問へのお答え」
・・・ 謹直な教師たちに屈辱感を与えたにちがいないその問題は、しかし、愈物的条件の切迫した来春どんな形で再燃するだろうか。それ迄に、適切な策が立てられることを切望する。新しい文部大臣もそのことは考えられるのだろう。〔一九四〇年六月―七月〕・・・ 宮本百合子 「女性週評」
・・・ 日本のようについさきごろまで中世的絶対主義が支配していた国、ファシズムに対抗する人民の自主的結集のなかった国柄のところでは、今日、再燃するファシズムとバランス上からも、レフティストの存在は必要である。このことを一般は現実問題として理解・・・ 宮本百合子 「世紀の「分別」」
出典:青空文庫