・・・ しかしながら、ヨーロッパに於ける新しい社会運動の動力であったロシアを何かの形で世界に紹介したという点から見ても、ツルゲーネフは、当時オストロフスキー、トルストイ、ドストイェフスキー、ゴンチャロフ、ニェクラーソフなどと共にロシア文学史上・・・ 宮本百合子 「ツルゲーネフの生きかた」
・・・ 私は同志ドミトロフにつれられて、先ず大仕掛の動力室発電所へ入って行った。坑内の換気のため、エレベーターやトロを動すために、動力室では五人の熟練工が絶えず働いているが、感服したのはその安全装置である。唸って震えている、巨大なモーターの周・・・ 宮本百合子 「ドン・バス炭坑区の「労働宮」」
・・・従って金銭がブルジョア生活の動力となり、又同時に万人の渇望の対象となった」激烈な時代であった。 七月革命で、ブルジョアジーの利害の代表者としてのルイ・フィリップが王位に置かれた後は財界の覇者、金銭の威力は極度にふるわれ、企業家で金持ちの・・・ 宮本百合子 「バルザックに対する評価」
・・・よかれあしかれ、自分の生活と関係のある新しい動力の発源地をそこに感じ、そこの様子を知ろうとして、淋しいガード下から曲って丘をめぐるその一本道へ出た。そこを歩くひろ子は、あんまり行く先がはっきりしているのと、いそいそしている自分があらわなのと・・・ 宮本百合子 「風知草」
・・・けれども、その動力となって軍事目的に協力したこれらの婦人団体は、終戦後の今日、破壊された食糧事情、混乱している経済事情によって日本の婦人が日夜名状しがたい困難を負うているに当って、どのような実際の助力を計画しているでしょうか。 戦時中婦・・・ 宮本百合子 「婦人民主クラブ趣意書」
・・・』は一つの活溌な息づきを示そうとしていると思えるが、文学のグループとして目ざしているところは、九州という今日の日本にあって意味深長な地方における現代生活の歴史を、その文学につくり出してゆくための土着の動力としての価値高い任務の自覚に在るのだ・・・ 宮本百合子 「文学と地方性」
・・・ 文学が変化してゆく現実の底には、このような社会的な生活の感覚の推移、変化がその根本の動力となってゆく。文学の題材としてすぐそれが作品化されてゆくというのではなく、そのようにして変化してゆく生活の感情が、日本の文学の全歴史とそれぞれの作・・・ 宮本百合子 「平坦ならぬ道」
・・・大道路世界の二パーセント。動力による輸送二パーセント。食糧では、人口と耕地面積比率においてソヴェトが安定しているのは、自然であろう。近代戦争の決定的要素は鋼鉄、石油、輸送力である。この数字を見て、日本のわたしたちは、ソヴェトが戦争をけしかけ・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
・・・五ヵ年計画の達成と、それによって引き起されたソヴェト同盟の社会的現実の変化は、さながら一つの強大な動力となって、マクシム・ゴーリキイが六十有余年の間に豊かに蓄えた人間的経験、作家としての鍛錬、歴史の発展に対する洞察力と確信などのすべてを溶か・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの伝記」
・・・五ヵ年計画の達成と、それによって引き起されたソヴェト同盟の社会的現実の変化は、さながら一つの強大な動力となって、マクシム・ゴーリキイが六十有余年の間に豊かに蓄えた人間的経験、作家としての鍛錬、歴史の発展に対する洞察力と確信などのすべてを溶か・・・ 宮本百合子 「マクシム・ゴーリキイの発展の特質」
出典:青空文庫