・・・ポツダム宣言受諾後、現在日本の政府は、表面上は人民に向って行使すべき武力を失っている。人民に対して行使する表向きの暴力はもっていないという建前になっている。連合国は、日本人民の平和裏の自主性を認めているのである。地方にも都会にも様々の形で各・・・ 宮本百合子 「人民戦線への一歩」
・・・ ポツダム宣言の受諾によって、日本の侵略戦争の本質が示され、民主主義の方向をとるといっても、日本の多数の人々が、呆然としているばかりだったのは無理なかった。海もてかこまれし島の住民は、自分たちの運命を破壊しているのがファシストであり、狩・・・ 宮本百合子 「それらの国々でも」
・・・ポツダム宣言は受諾された。急速な武装解除が行われた。九月〔二〕日にミズリー艦上で降伏文書調印が行われた。十月四日、連合軍総司令部の指令によって、治安維持法の撤廃、政治犯人の釈放、言論、出版、集会の自由が命令された。十月十〔四〕日、宮・・・ 宮本百合子 「年譜」
日本の政府がポツダム宣言を受諾して、平和と民主の新しい人民の社会を日本に建設することを世界に向って約束してから今日まで、まる二年とすこしたちました。 この二年あまりの間に、私たちの生活におこった変化をかえりみますと、第・・・ 宮本百合子 「婦人大会にお集りの皆様へ」
・・・ だから、一九四五年八月十五日、日本のファシズム権力が無条件降伏しポツダム宣言を受諾したのち、「聖戦」が帝国主義の侵略戦争であったといわれても、すぐそれを納得しかねる感情が大部分の人民の心にひそんでいる。その心持は今日も決して根絶してい・・・ 宮本百合子 「平和への荷役」
・・・こんどの人間性解放ということは、ポツダム宣言受諾後の日本として、封建性への反逆その否定、ブルジョア民主主義の完成という問題とからんで出されている。 十三世紀からはじまったルネッサンスは、なるほどヨーロッパにおける近代の暁であった。しかし・・・ 宮本百合子 「真夏の夜の夢」
来る二十一日から四日間にわたって日本ではじめての全国的な文化会議がもたれることになった。ポツダム宣言を受諾してから二周年、連合国憲章が出来てからも第二回の記念日を迎えた秋、私たちの日本でこういう文化的な会議がもたれることは・・・ 宮本百合子 「明瞭で誠実な情熱」
・・・ところが敗戦してポツダム宣言を受諾した時、日本は連合諸国から戦争犯罪国として、対等の国際的自立性を奪われた。私達祖国を愛する者は、この戦争の結果を悲しい心で受取った。そして、或る人々はきっと思ったに違いない。昔から喧嘩両成敗という言葉がある・・・ 宮本百合子 「私たちの建設」
・・・ ポツダム宣言が受諾されて日本の人の声々のなかに、戦争を悲惨とし、平和と自立とを愛するひびきがきかれるようになってから三度目の八月十五日が来ようとしている。 わたしたちは日本で特にいちじるしい戦争挑発の雰囲気の中でこの八月十五日をむ・・・ 宮本百合子 「わたしたちは平和を手離さない」
出典:青空文庫